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ルタテラ®で治療を受ける患者さんとご家族の方へ

監修:
関西電力病院 神経内分泌腫瘍センター
センター長 学術顧問
今村正之先生

NENの治療には、手術、局所療法、薬物療法、体内から放射線を照射する方法などがあります。治療の選択は、NENの種類や病気の進行度、患者さんの年齢や身体の状態などによって異なります。非機能性NETで腫瘍が小さく、転移やほかの臓器への広がりがない場合や、多発性内分泌腫瘍症1型に合併したNENの場合などは、半年~1年に1回定期的に検査をする経過観察によって様子をみることもあります。

外科療法(手術)

NENの治療において、切除可能な腫瘍であれば原則として切除手術が第一選択となります(図1)。手術の方法としては、外科的手術のほかに、内視鏡を使用する方法もあり、手術の方法や切除範囲は、NENの種類や腫瘍の大きさ、腫瘍の場所、病気の進行度などによって異なります。
手術により腫瘍を完全に切除することができれば、根治できます。腫瘍を完全に切除しきれない場合も、切除できる部分を切除して腫瘍の量を減らす「減量手術」をおこなうことで、症状の緩和や予後の延長を目指せる可能性があります。

図1 膵・消化管NENの治療選択

図1 膵・消化器官NENの治療選択

*1 PRRTは、ソマトスタチン受容体陽性のNETを対象とした治療法です
※  ホルモンによる症状がある場合は、症状を改善するための薬物療法もあわせておこなわれます
※  肝臓に転移がある場合は、肝臓の腫瘍に対し局所療法をおこなわれることがあります

【参考】日本神経内分泌腫瘍研究会(JNETS). 膵・消化管神経内分泌腫瘍診療ガイドライン2019年(第2版).

肝転移に対する局所療法

NENでは、腫瘍が肝臓に転移することが多くあります。転移した腫瘍を手術ですべて切除しきれない場合は、局所療法として肝動脈にカテーテルを挿入し、肝動脈内に塞栓物質や抗がん剤などを注入して腫瘍細胞を死滅させる方法や、電気を通して腫瘍を焼く「ラジオ波焼灼術」がおこなわれています。

薬物療法

NENの薬物療法に使用される薬剤には、使用目的や作用の違いにより、いくつかの種類があります(表1)。使用する薬剤は、腫瘍の性質(悪性度など)や転移の有無、ソマトスタチン受容体発現の有無、患者さんの全身状態などを考慮して選択されます。

表1 NENの薬物療法に使用される薬剤

表1 NENの薬物療法に使用される薬剤

【参考】日本神経内分泌腫瘍研究会(JNETS). 膵・消化管神経内分泌腫瘍診療ガイドライン2019年(第2版).

放射線治療

骨転移に対する外照射について

腫瘍が骨に転移した場合、痛みを緩和するために、放射線を体の外側からあてる外照射をおこなうことがあります。

ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)

NETでは、高い確率で腫瘍細胞に「ソマトスタチン受容体」が発現しています。その特徴を利用して、体内から腫瘍に放射線を照射する治療法がPRRTです。
ソマトスタチン受容体に結合する物質(ペプチド)に放射線を出す物質(放射性核種)を結合させた薬剤を投与することで、腫瘍に薬剤を取り込ませ、放射線により腫瘍細胞を破壊します。
PRRTは、NETの治療法として欧米では広くおこなわれています。最近、日本でもソマトスタチン受容体を発現しているNETに対する治療法として保険承認されました。

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