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キムリア®の治療を受けられる方とそのご家族へ

監修:
北海道大学病院 血液内科
豊嶋 崇徳 先生
京都大学医学部附属病院 小児科
平松 英文 先生

B細胞がんとは

血液中の血液細胞には、体内に侵入した細菌やウイルスなど異物を排除する白血球、酸素を運搬する赤血球、出血を止める血小板があります。これらの血液細胞は、骨の内部にある骨髄(こつずい)で生成される造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)が増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)することで作られます(下図)。
造血幹細胞は、赤血球、血小板、顆粒球(かりゅうきゅう)や単球に分化する骨髄系前駆細胞と、B細胞、T細胞、NK細胞などのリンパ球に分化するリンパ系前駆細胞に分けられます。これらのうち、顆粒球、単球、リンパ球を合わせて白血球と呼びます。
成熟した状態やその前の未熟な状態のB細胞(Bリンパ球)に異常が起こり、無制限に増殖することで発症したがんを総称してB細胞がんといいます。

造血幹細胞の増殖と分化により作られる血液細胞

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の特徴とその治療法

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、リンパ腫の約30~40%を占める一番頻度が高いタイプのリンパ腫です。リツキシマブと化学療法(抗がん剤を使った治療)の併用療法(R-CHOP療法)などが標準治療として行われますが、一部の患者さんでは、効果がみられなかったり、治療効果がみられても再発してしまったりします。
このような患者さんに対しては、R-CHOP療法以外の化学療法を行い、効果がみられたら自家造血幹細胞移植併用大量化学療法を行うことが一般的です。しかし、造血幹細胞移植は大量の抗がん剤を用いるなど患者さんへの負担も大きいため、年齢制限(65~70歳以下)があったり、内臓障害がないことなどの制約があります。
最近では、自家造血幹細胞移植を受けることができなかった、またはうまくいかなかった再発・難治性のDLBCL患者さんに対する治療として、キムリアを用いたCAR-T(カーティー)療法が使えるようになりました。

イメージ:男性患者と医師

B細胞性急性リンパ芽球性白血病の特徴とその治療法

急性リンパ芽球性白血病(ALL)は、白血球のひとつであるリンパ球ががん化して異常な状態になり、骨髄などで増えていく病気です。ALLは小児と成人で発症し、白血病細胞の種類によりB細胞性(B-ALL)とT細胞性(T-ALL)に分けられます。
ALLの治療は、まず、複数の抗がん剤を組み合わせた併用化学療法を行い、血液検査や骨髄検査でがん細胞が検出されなくなる寛解(かんかい)状態を目指します。寛解状態となった後、完全な治癒を目指して、別の抗がん剤の組み合わせによる強化療法を行います。通常、この間は半年~1年程度の入院治療となります。その後、再発を予防するために、維持療法として外来での少量の抗がん剤による化学療法が行われます。一方、化学療法だけでは治癒が難しい場合には、寛解状態での同種造血幹細胞移植が考慮されます。この造血幹細胞移植は、大量の化学療法や全身への放射線治療などの移植前処置のあとに、兄弟や親子などの血縁者、もしくは骨髄バンクや臍帯血(さいたいけつ)バンクで白血球の型(HLA)が合う⾮⾎縁者のドナーから提供された造血幹細胞を投与します。
これまでの治療法に加えて、抗体(特定の標的に結合するたんぱく質)を利用する治療やキムリアを用いたCAR-T療法が再発・難治性のB-ALLの患者さんに使えるようになりました。

イメージ:患者親子と医師

濾胞性リンパ腫の特徴とその治療法

濾胞性(ろほうせい)リンパ腫(FL)は、非ホジキンリンパ腫(NHL)の中で2番目に頻度が高いタイプのリンパ腫です。一般的に年単位で緩徐に進行する低悪性度B細胞リンパ腫に位置づけられています。濾胞性リンパ腫は、緩徐に進行するため自覚症状が乏しい場合も多いのですが、難治性であり、治療に関しては、慎重な経過観察、リツキシマブ単剤療法および抗CD20抗体併用化学療法の三つが主な選択肢です。腫瘍量を判断指標のひとつとして、患者さんと相談した上で治療方針を決定します。濾胞性リンパ腫は再発を繰り返すため、複数の治療を経験することも多く、その結果治療がうまくいかなくなる可能性があります。
最近では、治療がうまくいかなかった再発・難治性の濾胞性リンパ腫患者さんに対する治療として、キムリアを用いたCAR-T療法が使えるようになりました。

イメージ:男性患者と医師
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